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親愛なる是安さん

 是安則克(これやすのりかつ) 2011年9月23日早朝 自宅にて永眠。56歳。

 回想

 是安さんと初めてお会いしたのはわたしが20代後半、1989年ごろだったと思う。ドラムのジョージ大塚さんのWe Threeというバンドで演奏していた頃、ピアニストの大給桜子さんに吉祥寺のSometimeのギグに誘われたときのベースが是安さんだった。まだまだいろいろな曲に対応できずに試行錯誤していたころ、無口で多くを語らなかった是安さんが「思ったまま演奏したらいい」と言ってくれたのをおぼろげに覚えている。ジョージさんのジャズしか知らなかった私には、是安さんと大給さんの音楽は新しく、こんなジャズもあるのかととても刺激をうけた。そのころの是安さんは今よりももっと朴訥で硬筆な存在感でどこか近寄りがたい雰囲気をもかもし出していた。半年ほど共演させていただいた。
 その後私はジョージさんのバンドをやめて、加藤鎮久さんのもとでサックスの音作りの下積みをする。30歳のころアメリカに留学し2000年に帰国。自分のオリジナルを演奏し始め試行錯誤を繰り返し4年くらい経った頃、ずっと心にあった是安さんの存在、音と演奏したくなり突然連絡を取ってみた。自分のことを覚えているか心配だったが是安さんは覚えていてくれたので嬉しかった。その頃よく演奏していた横浜の491ハウスというバーで是安さんとギターの市野元彦くんと3人で演奏をはじめた。
 スタンダードを演奏していた。いつもイコライザーやプリアンプのつまみを調整していた。演奏のはじめよりも後半に入った頃の方が全体の音のバランスが格段によくなっていたのを覚えている。現場で音楽全体の中のベースの音が一番よくなるバランスをつかんでいたと思う。4年くらい前からサックストリオで演奏したくなりドラムの橋本学くんと是安さんの3人でわたしのオリジナルを演奏するようになった。そのころには,是安さんは無くてはならない存在になっていた。サックスの響きをいかした音空間のある音楽を演奏するのに,是安さんのベースがわたしの中で絶対的になっていた。
 はじめはサックストリオの音空間にこだわって演奏していたが,是安さんは演奏を重ねるごとに音楽の深い部分を音で問いかけてきた。いつもわたしのやろうとしていることを理解しつつも、ジャズ(人がすること)の本質ともいうべき、演奏者同士が向き合うこと、どう向き合うべきかを考えさせられた。自分の捉える音の世界の範囲から外との関わりへと世界を広げてくれた。是安さんに言われたことで、よく演奏し続けているわたしに「ずっといるよなー」といわれた。是安さんは私にある所で抜けてほしかったようだ。自分が表現したことに対して相手がまた違うことを思って表現したいかもしれない。自分が演奏をやめないと新たなスペースが生まれないということだと思う。全員で音楽をつくる、その自由がいろんな所にあること。深いと思った。「いつやめてもいいよ」「一番いい所ででてきたら」などなど是安さんの言葉から音楽がどんどん広がりを持っていった。
 今年になってトリオはバンド名を「オチコチ」として活動を始め年末にはレコーディングも予定していたが,果たすことはできなくなった。今はこれまでの音源を整理してオチコチの一つの作品として残したいと考えている。

 まだまだ書き足りないが,今は追想し走り書きを残します。

 是安さんを通じて知り合えた多くの素晴らしい人たちもいます。

 今は感謝の言葉しかありません。

 是安さんと過ごせた音楽の時間は私の一生の宝です。

できればもう一度あのベースの音が聞きたい、一緒に演奏したい!!


 今まで本当にありがとうございました。

 お疲れさまでした。

 ゆっくり休んで下さい。

 これからもっともっといい音楽を作っていきます。
by taimusic | 2011-09-30 23:13 | 日記

ギターリスト清野拓巳

 今日自分の好きなミュージシャンについて書いてみようと思う。
関西在住のギターリストでジャズを中心にギターでできる音楽をいろいろと演奏している清野拓巳くんだ。アコースティックギターからエレクトリックギターまで弾きこなす。エフェクターも使い独自のギターワールドを作り上げている。
 彼の演奏する音楽は素晴らしい。その素晴らしさは彼の音楽への誠実な姿勢に現れている。常に自然体で演奏に向かい彼の音楽を求める渇望の激しさに人間臭さも感じる。
 彼の音楽を思うと”心と場”というキーワードがおもい浮かぶ。
共演していて彼は自身の中で自己表現への渇望と相手への優しさという2つの異なる心の状態の間で揺れているように感じる。ゆったりと 激しさをもともなって。きっと演奏者は少なからず持ち合わせている気持ちだと思うが,彼の場合その揺れの中で出てくる音、全体の音楽が素晴らしい。それは心の中のそのふり幅を自分で理解しそこで生まれてくるものを生産的に演奏できているということ。そこにリアルな音楽が立ち現れることを知っていてその場に立つことを選んでいると思う。
 もう一つは、場の共有ということ。彼と話をしていて印象深くのこった言葉です。場のエネルギー=場所、お客さん、店員さん、演奏家、時 を共有することから生まれるもの を大切にしている。一期一会。彼と演奏していていい音楽が現れる瞬間の不思議さはそんなところから生まれてくるのではないかと思う。
 どこまでもピュアーでしたたかさを持って音楽を追究する清野拓巳くん。彼の求めている音楽はトテツモなく優しくて強い音楽なのではないだろうか。

 さてさて10月、関西方面で数日間彼と演奏ができる。幸運にも。
by taimusic | 2011-09-07 22:30 | 日記